プログラミング教育 という言葉が出て数年。
今では様々な形態のプログラミング教室があちこちにあり,子どもの習い事といえば猫も杓子もプログラミングといった状態になっていますが,それだけ プログラミングを学びたいという子どもたちや「プログラミングを学ばせたい」という保護者の方が多いということの表れかと思います。
さて,今から記すのは「どのプログラミング教室が良いか?」という話ではありません。
正直,プログラミング教室にそんな大差はありません。
学習塾と同じで,システムや教え方のツール・アプローチ方法は異なれど,やってることは同じです。
通うかどうかの最終的な判断は 開講の曜日・時間・教室の場所・雰囲気・設備・環境・講師との相性など で決定されると思いますが…
その前に現実の話をします。
広告やHP,プロモーションビデオを見ると,いかにも楽しく,そして簡単にマスターできそうなイメージですが実際の所どうなのでしょうか?
習い事としてプログラミングを検討されている方は,ぜひ,ご一読ください。
プログラミングは向き・不向きがある
「プログラミングはカンタンそう!」と思ってしまいがちですが,残念ながらそうではありません。
そうではない理由はいくつかありますが,そもそもの話として プログラミングには向き・不向きがある のです。
※ここでいう向き・不向きとは,算数や国語の 得意・苦手 とほぼ同じ意味になります。
プログラミングは,それを学び始めたすべての子どもたちが,広告に出てくるような何かの賞を受賞するようなスーパー小学生になれるものではないとあらかじめご承知おきください。
プログラミングは 「知識の積み上げ」 が必要
プログラミングは,算数や英語と同様,知識の積み上げが必要です。新たなスキルを身につけるためには,前段階の知識(前のレッスンで学習した内容)が理解できていないといけません。
つまり,教室に通っていても,次のレッスンの時に前回の内容を忘れてしまっていると,同じところからのやり直しになります。
相応の努力をせず,楽してプログラミングを身につけることはできませんのでご注意ください。
実力以上に進んでしまい,実際は何も身についていないパターン
上記の内容と関連しますが,「プログラミングは知識の積み上げが必要」です。
ところが…
次のようなスパイラルが起きている場合があります。
わからない箇所がある。
↓
講師に教えてもらい(代わりにやってもらい),その場ではわかったふりをして次に進む。
↓
次のステップに進むことができてうれしい。その日のレッスン終了。
↓
レッスン終了後,子どもが「楽しい」というので保護者は安心する。
↓
復習や演習(自分でプログラムをつくってみる)を全くせず,次回の授業に行く。
↓
新しく学ぶ項目が出てくる。
↓
前提となる知識が定着していないので,先に進めることができない。
↓
それを見かねた講師の方に教えてもらい(代わりにやってもらい),その場ではわかったふりをして次に進む。
↓
次のステップに進むことができてうれしい。その日のレッスン終了。
↓
レッスン終了後,子どもが「楽しい」というので,保護者は安心する。
↓
復習や演習(自分でプログラムをつくってみる)を全くせず,次回の授業に行く。
↓
新しく学ぶ項目が出てくる。
↓
前提となる知識がまったく定着していないので,わからない。
↓
見かねた講師登場。代わりにやってもらい,その場ではわかったふりをして次に進む。
↓
(これの繰り返し)
↓
先に進んではいるものの,まったくプログラミングが理解できていない。
↓
あるとき,「子どもが楽しいと言っているから大丈夫」と信じてきた保護者の方が,何も身についていないことにビックリして教室に連絡する。
※以降,想像にお任せします。
保護者の方の心情は
「レッスン代を払っているのだから,先に進んで当然。留まっていたらおかしい。」
です。たしかに,その通りだと思います。
しかし残念なことに,大概,このようなパターンの場合,保護者の方が内容をしっかりとチェックせず放置しているケースが多いことを付け加えておきます。
さて,一方,講師の方の心情は
「理解不足なので,ホントはじっくりと指導したい。しかし,進まないのはクレームにつながる。だから,進めてしまおう。」
この気持ちもわからないことはありません… 。
が,ここはやはり,保護者の方にしっかりと連絡・報告して現状の理解をしていただく必要があります。
そのうえで,留まることを理解していただけないようでしたら「別の教室でお願いします」と言いますね。
私なら。
当の本人である子どもの心情はシンプルです。
「先に進みさえすれば理解していなくても楽しい。留まるのはイヤ。」
といったところでしょうか。
三者三様,それぞれの心情は理解できますが,大切なことは プログラミング教室に通い始めた目的 であり,それは プログラミングを学ぶため だったはずです。
前述しましたが,プログラミングは楽して身につけることができるものではありません。
学ぶ過程においては,こんなことが起こりえることを ご承知おきください。
(この話は続きます。後編は後日!)